桐生タイムス | “会話”通して被災地支援、対話法研究の浅野良雄さん

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“会話”通して被災地支援、対話法研究の浅野良雄さん

2012-1-23

 相手を思いやりながら自分も楽しく会話し、トラブルも防げる対話法を提案している昭和大元講師で対話法研究所所長の浅野良雄さん(58)=桐生市三吉町二丁目=。昨秋から東日本大震災の被災者がいる仮設住宅や中学校などで、会話を通じた被災地支援活動を始めた。今後も継続していく考えで、2月12日にはスタッフ養成講座を開催予定。浅野さんは「相手を傷つけない対話法の重要性は被災地支援に限らない。ぜひ多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。
 浅野さんは桐生市生まれで南小、南中、桐高、群大工学部卒。東京福祉大大学院修了。電機メーカー勤務を経て学習塾経営の傍ら、1992年にカウンセラー資格を取得し、97年に対話法研究所を設立。従来の理論と技法に実践経験を加えた対話法を確立した。
 対話法はすでに多くの医療福祉現場で活用され、複数の医療福祉系大学で講師を務めたほか、講習会も各地で開催。対話法を学びながら自由に語り合う「対話の会」も現在、桐生市内に加え、都内や長野県で継続開催している。
 会話していて難しいのは、相手の発言の真意をたしかめずに、自分が言いたいことを言ってしまったとき。あいまいな表現や思い違いが互いに不信感を生み、トラブルの原因になることが多い。
 対話法ではこれを避けるため、「自分の考えや気持ちを言う前に、相手が言いたいことの要点を、相手に言葉で確かめる」のが原則。この要点を相手に確かめる応答を“確認型応答”と呼び、そのほかの一般的な応答と区別する。
 きょうも帰りが遅いの?と夫が妻に質問された場合を考えてみる。帰宅の遅さを責められたように感じた夫が「いつだっていいじゃないか」と答えると、険悪な雰囲気になってしまう。
 しかし、妻は帰宅時間を知りたかったのか、早く帰ってほしい事情があったのか、自分も遅くなると言いたかったのかもしれない。「きょうは何かあるのかい」と、まずは妻の真意を確かめることから始めようというのが“確認型応答”だ。
 相手の意見や気持ちを分かろうとする思いが伝わることで、お互いに心理的な安心感や信頼感が生まれるという利点もある。
 昨年9月には東京都板橋区で、震災や原発事故で都内に避難している人たち向けに「対話の会」を開催。同11月には被災地・宮城県東松島市で仮設住宅の住民向けに、同12月には石巻市の中学校で保護者向けにそれぞれ開いた。
 今月28日には石巻市の同じ中学校を再訪予定。こうした支援活動を続けていくためにも、浅野さん以外に2人しかいないスタッフの増員は急務となっている。
 スタッフ養成講座は2月12日午後1時から2時まで、桐生市美原町の市立昭和公民館で行う。講座終了後は同2時から4時まで同所で開く定例の「対話の会」で実践してもらう。
 参加無料。問い合わせは浅野さん(電0277・44・8970、対話法研究所ホームページhttp://taiwahou.com)へ。