桐生タイムス | 阿左美遺跡で16世紀の刀鍛冶遺構出土

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阿左美遺跡で16世紀の刀鍛冶遺構出土

2011-11-16

 「幻の刀匠群」とされていた中世戦国時代の「阿左美刀匠群」の存在を裏付ける刀鍛冶遺構が、みどり市笠懸町の阿左美遺跡仲地区で発見された。個人住宅の建築にともない同市教育委員会文化財課が10月に行った埋蔵文化財確認調査で、フイゴの羽口や大型の砥石(といし)、鉄製の鏃(やじり)などが出土、また16世紀代の特徴を持つカワラケ(土器)も同時に見つかったことで年代を特定した。文化財係長の萩谷千明さんは「太田金山城主・由良氏の武器供給基地だった可能性がある」とみている。
 現場は東武鉄道阿左美駅西側の住宅地にある畑地。鍛冶をした証拠であるフイゴの羽口や鉄くずが確認できたため、16平方メートルを1メートルほど掘ったところ、弓なりに曲がった刀用の砥石や鉄鏃が出土。また底部を板で切った型式を持つ土器の杯、調理道具ホウロクの内耳の部分など、16世紀の道具も出てきた。
 「阿左美刀匠群」には、幕末から明治初めにかけて3代の刀鍛冶が制作した脇差しの実物がある。以前は天文年間(1532〜55年)制作で「上州住泰久作」の銘のある脇差し(県立歴史博物館所蔵)が最古の作品とされていたが、近年の研究で沼田鍛冶の作例とされ、戦国時代に越後から移住した一族が刀をつくっていたという伝承は疑問視されていた。
 中世の刀匠群は県内で沼田のほか権田(高崎)、上強戸(太田)が確認されており、阿左美にも実在した可能性が高まった。みどり市教委では保存処理をして岩宿博物館に収蔵、同館での公開を予定している。