桐生タイムス_20120112 | 黒保根の古民家動く 西町ISの新研修施設に

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黒保根の古民家動く 西町ISの新研修施設に

2010-7-24

 築120年ほどのかやぶき民家が、インターナショナルスクール(IS)の日本文化・自然体験施設としてよみがえる。桐生市黒保根町鹿角の長く空き家になっていた古民家で、屋根や壁を取り払い、床を外して木の骨組みだけにし、引き移転して再生する工事が行われている。設計施工を手掛けるのは桐生市仲町一丁目の建築設計事務所吉左右(一柳宿さん・邦子さん)で、23日には西町インターナショナルスクール(東京都港区)のジョン・D・バンデンブリンク理事長らが現場を見学。川島組(桐生市梅田町二丁目)による引き移転の様子に「ムーブ!!」と感激していた。
 西町ISを創立した松方種子(1917〜89年)は、黒保根出身の絹貿易商新井領一郎の孫にあたり、アメリカから帰国後、空襲で焼け残った元麻布の邸宅(松方ハウス)を校舎として1947年に開校。姉のハル・ライシャワー元駐日大使夫人も講師をつとめ、多文化教育を実践。そうした縁から西町ISは黒保根小・中と姉妹校提携を結んで交流が続いており、鹿角には「キャンプ新井領一郎」として研修施設がある。
 今回再生される民家は、このキャンプに隣接して立っていた。西町ISの生徒数が増えて1990年建設の洋風ロッジが手狭になったため、土地と建物を取得。しかしかやぶき屋根は一部が落ちて雨漏りで床が腐り、雨戸はキツツキの穴だらけ、内部は動物のふんが積もった状態。そこで民家再生の実績のある一柳さん夫妻に相談があり、桐生には引き移転の技術を持つ会社もあることで、5年越しの再生プロジェクトが動きだした。
 明治中期の建築で「新しい生活様式に改修せず、馬小屋部分やいろりなどもそのまま残っていた」と一柳さん。「柱はクリ、ケヤキ、スギ、屋根は松。すべて解体すると構造材として使えなくなるので引き移転し、渡り廊下でロッジとつなげる。新しい筋交いを入れ、屋根は鉄板ぶき、壁はしっくい塗りで仕上げ、水まわりなどは最新の設備にします」。1階は188平方メートルで8畳と10畳を2間ずつ設けて吹き抜けとし、2階は79平方メートルのスタッフルームをつくる計画だ。
 建物はすでに30度ほど角度を変えて動いており、石垣を越えて40メートルほど移動、コンクリートの基礎の上に乗る予定だ。 工費は7000万円弱、完成は来年5月ということだ。