桐生タイムス | 30代で水泳始めた塚越さん 22年で上級指導員資格取得

きょうの夕刊

30代で水泳始めた塚越さん 22年で上級指導員資格取得

2010-2-27

 子どもをスイミングスクールに入れた34歳から水泳を始めた主婦が日本体育協会公認の水泳上級指導員資格を取得した。塚越敏美さん(56)=桐生市平井町=。上級指導員は指導員を養成する指導員のことで、いわば「先生の先生」。競技歴はもちろん、水泳経験そのものがなかった主婦が同資格を得たのは珍しいという。県体協によると、女性で同資格を持つのは県内でわずか9人(男性は12人)。
 一昨年から昨年にかけて、県立敷島公園水泳場の屋内プールで同資格の講習と検定があり、塚越さんはそれに参加。桐生から参加して合格した女性は塚越さんだけだったという。認定は昨年10月1日付。
 塚越さんは22年前、2人の男の子を地元のスイミングスクールに入れたのがきっかけで水泳を始めた。嫌がる子をなだめるのと自身の健康のためだった。
 競技としての水泳どころか、それまでは「泳いだこともほとんどなかった」という。が、「やってみると楽しく、友達も増えて、次第に面白くなった」。
 マスターズという年齢別の大会に出るようにもなり、10年ほど前には基礎指導員や指導員の資格も。そして県水泳連盟の関係者から「上級指導者資格の検定が前橋であるので受検してみては」と声がかかった。
 「検定前の講習は厳しく、こんなに高いレベルの内容だとは知らなかった。合宿形式だったので、5日間ほど家を空け、そのぶん家族に迷惑もかけた。資格を取れたのは家族のおかげです」
 2人の子はともに社会人に。指導してもらった恩返しのように「今度は自分が教えるほうになって水泳のすそ野を広げたい」と敏美さん。
 ただし、あくまで自然体。たくさんの人を一度に教えるのではなく「個人対象のパーソナルレッスンという形式で教える」方針。
 身長150センチの小柄な塚越さん。「泳げないという素人の気持ちが分かるから、教えることが上達したのかも。いいアドバイスができて、その人が楽しく泳げるようになり、速くなるのがうれしい」とにこやかに話す。

 【メモ】日本体育協会と各競技団体は共同で六つの「競技別指導者資格」を設けている。競技者を育成するコーチ・上級コーチ、民間スポーツ施設で指導する教師・上級教師、そして指導員・上級指導員。上級指導員は、地域のスポーツクラブで年齢別やレベル別の指導をしたり、指導員を育成する。地域レベルでは最上級の指導者資格。
 水泳の上級指導員は、競泳だけでなくシンクロや飛び込み、水球などの競技や審判法、トレーニング法、水泳の生理学や心理学、救助法や心肺蘇生(そせい)法などを身につける必要がある。加えて、スポーツ組織の運営と事業、スポーツ心理、スポーツに関係する法律の知識なども求められる。