桐生タイムス | ダニアレルゲン吸着除去する肌着を繊工試が共同研究

きょうの夕刊

ダニアレルゲン吸着除去する肌着を繊工試が共同研究

2010-2-25

 県繊維工業試験場(布施久康場長)がアレルギーの原因物質の一つであるダニアレルゲンを吸着除去する繊維製品の開発を進めている。アレルゲンの表面電位がマイナスであることを確かめ、繊維がプラスの表面電位を帯びるよう加工を施すことで吸着する。安価で繰り返し洗っても加工が落ちないよう研究開発を進め、実用化を目指す。
 ダニのふんや死骸(しがい)などのダニアレルゲンは肌に触れると皮膚炎などを起こすため、肌着で吸着することで発症を低減できないかと考えた。
 アレルゲンの表面電位を測定した結果、強いマイナスであることが確認でき、染色業界で染料を繊維に付着させるための一般的な手法である「カチオン化」により、繊維にプラスの表面電位を持たせることにした。
 肌着は直接体に触れるため、染色加工業のアート(桐生市相生町二丁目、伊藤久夫社長)との共同研究でカニの甲羅などから抽出される天然物質のキトサンを用いたカチオン化の研究を進めた。
 綿やポリエステルの布に加工を施し、アレルゲンの評価で一般的に用いられるELISA(イライサ)法で測定。結果、数値は検出限界以下でダニアレルゲンはほとんど検出されず、吸着除去効果が確認された。
 「洗濯すればアレルゲンは落ち、繰り返し使用できる。同じ原理で杉花粉を吸着したり、逆にくっつかないようにすることも可能」と担当の近藤康人独立研究員。
 肌着以外にもシーツや枕カバーなどの用途も想定され、「家庭で普通の下着に抗アレルゲン機能を持たせることもできる。特許出願を視野に研究と技術開発を進めていきたい」と話している。