きょうの夕刊
ナラ林で炭まき 吾妻山で土壌改質作業
2010-2-22
桐生市堤町一丁目の吾妻山下の雑木林で21日、炭をまいて土壌を改良し、樹木の勢いを回復させる試みが行われた。県内の森林保護団体を中心に、一般市民ら総勢約200人が参加。国内では珍しいとされるモンゴリナラの自生林約1ヘクタールを舞台に、木の周囲に穴を掘って炭を埋める作業に汗を流した。
吾妻公園西側の林照寺(林学達住職)境内の林で行われたこの作業は、市民団体「森林(やま)の会」代表で、元関東森林管理局職員の宮下正次さん(65)=高崎市=が呼びかけた。
宮下さんによると、各地のマツ林に続いて広葉樹林でも立ち枯れが目立っており、その原因は「酸性雨による土壌汚染」だとして、炭のアルカリ性を生かした土壌改良を提唱。前橋市の敷島公園のマツ林などで樹勢回復の効果を上げており、ナラ林でも試すことにした。
この呼びかけに、NPO「森びとプロジェクト委員会」(東京都)の群馬県ファンクラブ、日本熊森協会県支部(高崎市)が賛同。森林の会を含む3団体のメンバーで「日本の森を元気にする仲間たち」(宮下代表)を結成し、一般参加も呼びかけて作業を行った。
開会式では、国内では限られた場所にしか分布していないモンゴリナラの特徴や、土壌の酸性化で木が弱っていることなどについて、宮下さんらが紙芝居で説明。その後、参加者らは重さ20キロの炭の袋とスコップを担いで斜面を登り、木々の根を取り囲むように溝を掘り、破砕した炭をまいた。
桐生市梅田町のJR職員、茂木孝さん(52)は「労組の活動で足尾の植樹も行っており、人間が壊した自然を回復させる作業の大変さを改めて感じた」。高崎市のシイタケ農家、清水俊雄さん(45)は「ナラの胴吹き(樹幹から新芽が出る状態)を見て、木が弱っていると知った。ナラのホダ木を扱っているので、少しでも力になれれば」と、娘の美貴さん(7)と息子の康太君(5)ら家族4人で炭まきに励んだ。
今回まいた炭により「今春の芽吹き時には(樹勢回復の)兆しが出るはず」(宮下さん)という。現地ではモンゴリナラやコナラなど4種8本の基準木を決め、観察していく予定だ。

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