きょうの夕刊
モンゴリナラ救え 吾妻山に貴重な樹種
2010-2-16
桐生市の吾妻山周辺の雑木林で21日、炭をまいて土壌を改良し、樹木の勢いを復元しようという試みが始まる。広葉樹の立ち枯れが各地で深刻化しているのを受け、県内の森林保護団体などが連携して取り組むもの。同山周辺には、国内では限られた場所にしか分布していないモンゴリナラが生育しており、貴重な木を守る活動でもある。関係者は「炭の効果を桐生で実証し、森を元気にする具体策として全国に広げたい」と意気込み、ボランティアでの一般参加を呼びかけている。
舞台となるのは、吾妻公園西側の林照寺(堤町一丁目、林学達住職)境内で、モンゴリナラなど約500本の木が立つ約1ヘクタールの雑木林。
木々の根元回りに穴を掘り、粉砕した炭をまく。炭のアルカリ性を生かし、酸性化した土を中和することで、微生物が活発で養分が豊かな土に戻すのが狙いだ。
活動するのは、市民団体「森林(やま)の会」(玉村町)、NPO「森びとプロジェクト委員会」(東京都)の群馬県ファンクラブ、日本熊森協会県支部(高崎市)の3団体のメンバーで結成した「日本の森を元気にする仲間たち」。
代表の宮下正次さん(65)=森林の会事務局長、高崎市=は元関東森林管理局(旧前橋営林局)職員で、在職中から20年以上にわたり森の観察会やブナの植樹などの活動を続けてきた。「炭は地球を救う」(リベルタ出版)などの著書がある。
宮下さんは立ち枯れの原因を「酸性雨による土壌汚染」と断定。その改善策として炭の力に着目し、前橋市の敷島公園で、広葉樹より先に立ち枯れが深刻化したマツ林に炭まきを行い、樹勢回復の実績をあげたという。
昨年、桐生のモンゴリナラで、枝枯れや、根元から新芽が出る「胴吹き」を確認した。「胴吹きは樹上にいくべき養分がいっていない証拠。ドイツでは『恐怖の芽』といい、木が悲鳴を上げているサイン」と危機感を強める。
宮下さんは「地質学の専門家によると、日本列島ができた1億年前、海に沈まなかった足尾山塊の桐生に大陸産の木が残ったと考えられる。生きた化石というべきモンゴリナラを守りたいというのが、今回の試みのきっかけです」。
当日は約200人で計2トンの炭をまく予定。その後は観察を続け、効果を検証する。
午前11時に同寺集合。参加希望者にはスコップや軍手、弁当のほか「できれば炭を10キロ持参してほしい」と呼びかける。問い合わせは宮下さん(電027・386・6647)へ。

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