桐生タイムス | 桐生を視察、世界遺産国際学術会議

きょうの夕刊

桐生を視察、世界遺産国際学術会議

2010-2-8

 「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録に向け、群馬県と文化庁は7日から、海外の専門家を招いての現地視察を実施している。3日間かけて県内各地の絹産業遺産群を回り、10、11日には県庁で国際学術会議を開いてユネスコ世界遺産委員会への推薦書作成について検討を行う。視察初日には桐生市を訪れ、本町一・二丁目周辺のノコギリ屋根工場や蔵、町家、路地、天満宮など、織物で栄えたまちを体感して歩いた。
 世界遺産候補として国内暫定リストに記載されている「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産は10カ所。桐生市はまだ正式に入っていないが、絹産業を「養蚕〜製糸〜織物」として完結するには「織物の桐生」が不可欠とされ、文化財保護法に基づく重要伝統的建造物群保存地区選定を目指す本町一・二丁目とその周辺地区が注目されている。
 視察に訪れたのはチェコ・ブルノ工科大学建築学部教授のヘレナ・ゼマンコバさん、国際産業遺産保存委員会(TICCIH)ポルトガル代表のジョゼ・マヌエル・ロペス・コルデイロさん、欧州大学院教授のジョバンニ・フェデリコさん、ヒストリック・スコットランド調査部でTICCIH繊維部会のマーク・ワトソンさんら。県の世界遺産推進課、桐生市教委文化財保護課の職員が案内した。
 見学個所は有鄰館、旧曽我織物工場、無鄰館、森合資会社、早政織物、岩崎織物、旧金谷レース工業、天満宮など。建築年代や当初のままの建造物かどうか、また「蔵の中には何を入れていたか」「転用した時期は」「どれくらいの人が働いていたか」といった質問が活発にかわされた。周囲の景観についても吾妻山や山の手の寺社群、森産業ビルなどに注目したり、土蔵の扉や郵便受けの意匠など、それぞれの関心で写真に収める人も。岩崎織物では紋紙とジャカード織機の稼働を見学し土産も買って喜んでいた。
 視察は初日が高山社跡、島村養蚕農家と桐生、8日に北毛の薄根の大クワ、冨沢家住宅、赤岩養蚕農家群、9日は西毛の碓氷峠鐵道施設、荒船風穴、甘楽町養蚕農家群、富岡製糸場の計10カ所。国際会議は毛傳慧さん(台湾・清華大学歴史研究所)も加わり、国内専門家5人による学術委員会と合同で行う。