桐生タイムス | 地元活性化のはずが… 遠方業者の落札で議会から異論噴出

きょうの夕刊

地元活性化のはずが… 遠方業者の落札で議会から異論噴出

2010-1-26

 地域への経済対策を目的とした国の補助事業を使って、みどり市が進める学校用の地上デジタルテレビ購入。その“経済効果”に、市議会から疑問の声が上がった。市内業者で組合を設立するなど地元業者が受注を目指したが、指名競争入札で沼田市内に本社のある業者が落札。25日の市議会全員協議会では「地元業者にもっと配慮を」「地元活性化にならない」などと異論が噴出し、同日の臨時会に提案予定だった関連議案が開会直前に取り下げられる異例の事態になった。
 学校用テレビ購入は、国の「学校情報通信技術環境整備事業補助」と「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を受け、国が実質的に全額負担するもの。文部科学省は自治体への通知で「地域経済の活性化の視点から、地域の中小企業の受注機会に最大限の配慮を」と趣旨を説明する。
 市は14日、市立小・中学校と幼稚園の16施設に配備する227台の入札を実施。市内に本社・営業所がある業者の指名競争入札とし、笠懸地区と大間々・東地区に分割実施するなど、地元業者に配慮したものの、昨年9月に市内営業所を設けた沼田市内の業者が二つとも落札した。
 落札額は笠懸地区が、プラズマ方式の42型103台と50型18台で1606万5千円。大間々・東地区が同42型86台と50型20台で1417万5千円。このうち笠懸地区は予定価格が2千万円を上回り、市の規定で議会議決が必要なため、25日の臨時議会で関連議案を提案する予定だった。
 しかし臨時議会に先立って開かれた全員協議会では、計8議員が同入札の取り扱いをめぐり「地元業者にもっと配慮できなかったのか」「これでは地元活性化という趣旨から外れてしまう」などと、市側の配慮不足を厳しく指摘した。
 さらに地元商工会の主導で昨年秋、市内業者が市家電・事務機器販売組合を立ち上げたことも強調。指名競争入札に組合として参加したが、落札できなかった経緯などから、「同組合と随意契約する考えはなかったのか」との意見も出た。
 これに対して市担当者は「受注機会を増やすための分割入札や、地元組合に入札参加してもらうなど、現状の決め事の中で配慮したが、結果として安い業者が落札した」「(金額的に)大型の公共事業であり、競争性や公正性の確保にも配慮しなければならない」と説明した。
 地元組合との随意契約についても「みどり市には(組合に入っていない)家電量販店などもあり難しい。(会計検査のある)国庫補助事業でもあり、相当な理由がないと(同組合との)随意契約には踏み切れない。現状の決め事の中では厳しいと判断した」と市側の考え方を述べた。
 議論は平行線をたどったため、市側は同入札について、このままでは議会議決が得られないと判断。臨時議会への提案を急きょ取り下げることにした。議会側の理解が得られ次第、あらためて議会議決を求めていく方針だ。
 今回の臨時議会では、市立小中学校10校向け教育用・校務用パソコン購入の入札について議会議決を求める財産取得案と、専決処分の承認案の2件が提案され、ともに原案通り可決し閉会した。