きょうの夕刊
桐生の布で新教育を 群馬大学教育学部付属幼稚園
2010-1-21
前橋市にある群馬大学教育学部付属幼稚園で、布を利用して園児の思考力や創造力を養おうという、教育への新たな模索が始まっている。取り組みには産地桐生も協力。20日、同園の園長で群馬大学教育学部教授の藤本宗利さん(51)と同大学院1年の角田智則さんが桐生織物協同組合などを訪れ、取り組みの趣旨などを説明。教育素材として役立てるための生地を譲り受けた。
子どもたちの発達を促す遊具の素材には木や紙、粘土、砂などさまざまある。桐生市出身の藤本教授は身近にありながら新しい素材として布に着目。導入によって期待される効果や利用法について、昨秋から教職員たちと話し合ってきた。
「はじめに目的ありきの道具でなく、素材そのものが新たな遊びを引き出す側面もあるはず。きれいで、肌触りのいい大きな布から、子どもたちがどんな遊びを思いつき、どう役立てるのか、大変興味深い」と同教授。壁面構成をはじめ節分やひな祭りといった季節ごとの行事でも、布の活用を図る計画だ。
取り組みに欠かせぬ布については、教授からの依頼を受けた桐生織物協同組合と佐啓産業が協力。20日、藤本教授と同研究室の角田さんが桐生を訪れ、サンプルとして製作した布や、傷のある製品などを譲り受けた。「図案や色目、肌触りなど、子どもたちの遊び心を刺激してくれそうな布が数多くある。おもしろくなりそう」。入手した布に桐生出身の2人は満足そうな表情。
2011年度に全面実施となる小学校の新学習指導要領では「伝統的な言語文化と国語の特徴に関する項目」が設けられ、各学年で古典に親しめるような教育上の配慮が求められる。
平安文学が専門でもある藤本教授は「ようやく伝統文化に目が向けられ始めた。例えば、布を通して古典の世界に自然と関心が向かうような試みを模索できれば」と抱負を語っている。

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