きょうの夕刊
群馬高専・小島特命教授ら、畜産し尿浄化に新技術
2009-12-28
群馬工業高等専門学校の小島昭特命教授=桐生市在住=らによる産学官研究グループは28日までに、牛や豚など畜産し尿中の色やにおい、有機物、窒素、リンを急速に除去する技術を開発したと発表した。浄化剤である鉄粉と炭素粉をし尿中に入れて攪拌(かくはん)するだけのシンプルな方法で、短時間で水質浄化ができるというもの。現状の畜産し尿(豚排水)処理は生物処理(活性汚泥法、酸化池処理法など)や物理処理、化学処理などで浄化・放流しているが、単一処理で浄化する方法は初めてとして、国内特許と国際特許を同時に出願した。
本県は全国有数の畜産県で、年間出荷額は1000億円に達する。一方、畜産廃棄物、特にし尿処理は環境保全などから重要課題となっている。畜産農家では処理装置を備え付けて排水しているが、国の排水基準は年々厳しくなり、加えて飼料の高騰など、取り巻く環境は悪化している。
同技術はこれらの問題を解決しようと、県地域結集型研究開発プログラム「畜産環境改善事業」として、石井商事(高崎市)、県科学技術振興室と共同で取り組んだ。
実験は浄化剤(炭素粉と鉄粉)を豚し尿の1〜5%加えて攪拌。その結果、浄化剤量、攪拌速度が浄化速度に影響することが分かり、10分間の高速攪拌の場合では、し尿中のリンはゼロ、化学的酸素要求量(COD)は20分の1、窒素は3分の1に減少。さらに、し尿の赤褐色は脱色、においも減少し、環境基準をクリアして放流できる水質になったという。
同グループは(1)単一処理で、色、におい、COD、窒素、リンを除去できる方法は初めて(2)浄化剤は安全な物質のみ使用し、複数回使用できる(3)回収したリンや鉄は資源として再利用できる—として、「畜産し尿処理問題を根本から解決できる夢の浄化技術」としている。

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