桐生タイムス | 桐生ガスが産廃から都市ガス抽出、実用化検証へ

きょうの夕刊

桐生ガスが産廃から都市ガス抽出、実用化検証へ

2009-12-8

 桐生ガスが県産業技術センターとともに、グリセリンからガス成分を抽出する研究を進めている。軽油の代わりになるバイオディーゼル燃料(BDF)を廃食用油から精製する際に、副産物として産出されるグリセリンは産業廃棄物として捨てられているが、触媒と反応させることでメタンや水素を取り出すことができる。特に抽出されるメタンガスは都市ガスの成分に近く、抽出条件などで試行錯誤を続けている。
 研究は廃油をリサイクルした後に残るグリセリンの有効活用を目指して昨年度、2者と群馬大学工学部が北関東産官学研究会の補助を受けて開始。今年度は2者で継続している。
 抽出には「水蒸気改質」と呼ばれる手法を用いる。粘性が高いグリセリンが水に溶けやすい性質を生かし、水を加えることで改変を容易にする。
 液状のグリセリンと水を装置に流し、加熱してニッケル系の触媒に反応させると、触媒の状況や量、反応速度などに応じ、ガス化したメタンや水素を取り出すことができる。研究に携わる桐生ガス開発課の村上恵理係長は「条件を調整することで、メタンと水素のうち取り出したい方の比率を高めることが可能」と述べる。
 同社によると、県内で出る廃食用油の量は年間約6700キロリットル。メタンガスに換算すると約80万立方メートルで、1000軒が1年間に消費するガス量に相当する。一方で現在BDFとしてリサイクルされている量はごく一部にとどまっている。
 「実験ではいい数値が出ているが、実際に廃油から出たグリセリンを用いて抽出したガスが使用に堪えるものになるかどうか。これから検証していきます」と木村光常務。「自治体などと連携し、廃油回収を含めてシステム化できれば環境問題に加え、地域貢献もできる。実用化には課題も多いですが、都市ガスにバイオマスを含ませる国の動きもあり、挑戦する価値はある」と話している。