桐生タイムス | 皮はぎ被害防止へ 県がクマ捕獲作戦

きょうの夕刊

皮はぎ被害防止へ 県がクマ捕獲作戦

2009-12-4

 桐生市やみどり市などで深刻化しているツキノワグマによる人工植林の皮はぎ被害防止対策で、県は3日の県議会一般質問で来年度からクマの剥皮(はくひ)行動を学術調査・研究するための試験捕獲に乗り出す考えを示した。皮はぎは春から夏に多発するため、試験捕獲もその時期に限定的に実施する方針。県自然環境課によると、クマの剥皮に関する学術研究は全国的にも珍しいという。また、今年度から国の補助事業を活用して防止被覆資材費を全額補助する措置を取ったことも明らかにした。
 今年5月定例会で、みどり市東町の林業後継者らが提出した「早急な対応と被害林家救済を求める請願」が常任委員会と本会議で全会一致で採択されたことを踏まえ、桐生市区選出の村岡隆村氏(自民)が「県内の2008年度の林業被害はクマだけで1億9250万円。皮はぎ被害を受けた樹木は1、2年で立ち枯れするなど深刻。(農業被害同様に)県として何らかの補償、金銭的な支援を考えていく必要があるのではないか」と質問。
 入沢正光環境森林部長は「皮はぎ被害は樹齢40年から50年のスギ、ヒノキの人工林に多く、森林所有者の経営意欲を著しく低下させる深刻な問題であり、早急な対策が必要である」とし、県の被害防止対策事業を説明。この中で「今年度の7月補正で1500万円を計上し、所有者の負担のない防止帯巻機を措置した」と答弁。従来の被覆資材費補助は約半額だったが、それを全額補助にしたことを明らかにした。
 金銭的な支援については「森林保険制度もあるが、運用上、クマ皮はぎに対応するのは難しい状況がある」とした上で「直接的給付は研究課題とさせてほしい」とした。
 さらに、猟期外のクマの捕獲について「クマは絶滅が懸念されており、すぐに捕獲は難しい面もあるが、来年度から学術研究の名目で捕獲を進めていきたい」との考えを示した。
 県自然環境課によると、「剥皮するクマと剥皮しないクマがいるため、胃やふんの内容物を調べる試験捕獲を実施する。クマの皮はぎに関する学術調査は全国でも珍しい」とし、捕獲頭数は「限定的になる」としている。