桐生タイムス | 円高急激 危機感募る地元経済

きょうの夕刊

円高急激 危機感募る地元経済

2009-11-27

 円高が進んでいる。ドルが主要通貨に対して下落し、26日の東京外国為替市場で円相場が約14年4カ月ぶりとなる1ドル=86円台に突入した。地域経済には一部に明るさの兆しもみられた中、輸出企業の業績悪化につながる急激な円高に、地元経済界からは懸念の声が上がっている。27日午前も85〜86円台で推移している。
 円高はここ数日じりじりと進んでいたが、昨秋のリーマン・ショック後の高値である87円10銭の突破を機に、26日は一時86円30銭近辺まで上昇。翌27日午前は一時84円台に突入した。
 急速な円高に桐生商工会議所の佐藤富三会頭は「桐生の機械金属業界は直接間接に輸出関連の企業が多い。これだけ急激な円高は問題。一時的とはいえ85円を切るのは大変なことだ。影響は大きい」と危機感を表明。
 「静観するしかないが、原因がドルの下落にあるだけに簡単には戻らない可能性がある。企業はぎりぎりの合理化をしており、これ以上の節約は至難の業。(地域経済に)明るさも見えていたが円高は良くなる芽を摘んでしまう」と訴える。
 ミツバは想定レートを1ドル=90円に設定しており、1円の円高で9000万円の損失が出る計算になるという。
 「円高で自動車メーカーの生産台数が落ちれば受注も下がり、影響が出てくる」と同社。「売り掛け金を回収する期間を短縮すれば為替変動へのリスクは小さくできるが、円高そのものに対するリスク分散は難しい」と説明する。
 桐生織物協同組合も中国や欧州への輸出を近年積極的に振興していただけに、事態を注視している。同組合は「昨秋以降の円高で勢いが落ちてきていたが、現在も引き合いがある。しばらく様子を見るしかないが、本格受注のときにこのような円高だと困る」と話している。