きょうの夕刊
新型トロッコ導入へ わたらせ渓鐵取締役会
2009-11-25
沿線自治体が出資する第三セクターわたらせ渓谷鐵道(樺沢豊社長)は24日、みどり市大間々町大間々の本社で取締役会を開き、新型トロッコ列車の導入を柱とする2010年度から5カ年の次期経営計画を承認した。桐生駅や相老駅の乗り入れが容易な自走式トロッコ列車の導入で、首都圏につながるJR線や東武線と直結して便数を増やし、収益アップを図る。樺沢社長は同日の会見で「この5年間で基礎を固めたい」と説明。沿線自治体側も「前向きな姿勢に期待したい」(石原条みどり市長)と応援態勢を強調している。
自走式の新型トロッコ列車は、機関車のけん引が必要な従来型では経費のかさむ桐生駅や相老駅乗り入れが容易にできるのが特徴。さらに着脱可能な窓を備え、雨天や冬季でも運行できる“全天候型”にするとしている。
計画では11年度に中古車両(2両1編成、定員120人)を購入し、トロッコ列車に改造して翌12年度から運転を開始。従来型と合わせて1日最大3往復が可能となり、年間5万7千人(昨年度実績3万2千人)の乗客数を見込む。
樺沢社長は会見で「トロッコ列車は昨年度、定員不足や時間が合わないなどの理由で約1万4千人もの団体客をお断りしており、今後の経営努力で目標は達成できると考えている」と述べた。
計画では新型トロッコ列車の購入・改造費用は約2億円。2分の1の国庫補助を受け、残りは群馬・栃木両県、桐生・みどり・日光沿線3市で負担するとしている。
一方、計画では10〜14年度の鉄道事業について、定期券収入減や修繕費増などで年間1億円前後の赤字を計上。ただ、13・14年度は現行トロッコ列車の“車検代”年間3600万円が含まれ、それを除くと赤字幅は6000万円台に圧縮できるとしている。沿線自治体首長を含む取締役会が計画を承認したことで、沿線自治体が赤字補てんする方向となる。当面は沿線自治体が積み立てた約2億7万円(昨年度末現在高)の基金を取り崩して充てることになりそうだ。
樺沢社長は「赤字圧縮の努力は不可欠。ただ、経費を切るだけでは負のスパイラルに陥り、業績もどんどん落ち込んでしまう。新型トロッコ列車を活用して5年間で基礎を固めたい」としている。
沿線自治体で構成する同鉄道再生協議会会長の石原みどり市長は同日、桐生タイムス社の取材に「現実に沿った計画であり、会社のやる気が見える計画。今後の展望に明かりが見えた。赤字圧縮の努力は不可欠だが、その観点から見ても否定する計画ではない。会社の前向きな姿勢に期待したい」としている。

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