桐生タイムス | 群大大学院研究班が希少金属回収の新手法開発

きょうの夕刊

群大大学院研究班が希少金属回収の新手法開発

2009-11-14

 群馬大学大学院工学研究科(桐生市天神町一丁目)の研究グループは13日、レアメタル(希少金属)を簡便・高回収で捕集する方法を開発したと発表した。金属を吸着する水溶性のポリマー(高分子有機化合物)を合成することで、携帯電話の基板に使われるパラジウムの回収実験では市販されている吸着剤に比べ回収量で5倍多かったほか、回収速度も1分以内と極めて速かったという。レアメタル・貴金属回収のほか、有害金属回収、環境水浄化など幅広い分野での応用が期待できるとし、企業などと連携して実用化を目指す。27日に東京で開かれる高分子学会の研究発表テーマにも選ばれた。
 考案したのは応用化学・生物化学専攻の永井大介助教と大学院生の吉田恵さんらの研究グループ(群大ファイブロバイオプロセス研究会)。
 同グループによると、レアメタルはハイテク製品に欠かせないが、これらの多くは埋蔵量が少なく、50年以内に多くの金属が枯渇する可能性があり、廃製品や海中に溶存するレアメタルを効率よく回収するシステムの開発が急がれているという。
 同グループはまず、硫黄原子の持つ高いレアメタル吸着力に着目し、硫黄原子を含むポリマーの開発に取り組んだ。しかし、ポリマーは金属を含む水溶液に溶解しないため、回収量は少なかった。
 そこで、水に溶解するユニットと金属を吸着するユニットからなるポリマーを合成し、金属水溶液に溶解させ、効率よく金属回収を行ったあと、回収量増加に伴う沈殿現象を利用し、簡便にレアメタルを回収するポリマーの開発を進めた。
 その結果、レアメタルの一つであるパラジウムの回収実験では、パラジウムを溶かした溶液にポリマーを加え攪拌(かくはん)したところ、瞬時にパラジウムを吸着したポリマーが沈殿し、濾過(ろか)によって簡便に分離できることが分かった。
 しかも、ポリマーを分離したあと、回収量を調べたところ、ポリマー1グラム当たり0・25グラムと、パラジウム吸着材として市販されているポリマーの5倍多く、回収速度も1分弱と極端に速かったという。
 同グループは、ほかのレアメタルも効率よく(金はポリマー1グラム当たり0・53グラム、白金では同0・52グラム)回収できることから、簡便かつ高回収でのレアメタル捕集材として幅広い応用が期待できるとしている。