桐生タイムス | 世界の染織作家ら桐生で産地ツアー

きょうの夕刊

世界の染織作家ら桐生で産地ツアー

2009-10-28

 米国在住の染織研究家、和田良子さんが27日から、外国の作家らを連れ、桐生産地の織物やニット工場などを巡る産地ツアーを行っている。和田さんはスローフード運動にちなんだ「スローファイバー」を提唱しており、作家らはその理念に共鳴して各国から集った。今回は試験的に実施したもので、「桐生は趣旨にかなったまち」と毎年秋の開催に意欲をみせている。
 絞り作家でもある和田さんは国内外で幅広く活躍。活動を通じ、桐生で織った絹織物を「グンマシルク」として世界に紹介もしている。1997年には桐生織塾の関係者とともに銘仙研究会を立ち上げており、織塾とも深いつながりがある。
 自ら提唱する「スローファイバー」は“どこで誰がつくったか”が分からない大量生産の繊維製品がまん延する現状に対峙(たいじ)し、作家らと繊維産地を結んだ限定生産のものづくりを提案しようというもの。「スローファイバー工房」を掲げ、作り手と消費者双方の啓発を図るとともに、ホームページを通じてメンバーを募っている。
 今回のツアーには米国やニュージーランド、スペイン、国内の染織作家7人が参加。初日の27日は桐生織塾とミラノリブ、松井ニット技研、テキスタイルプランナーの新井淳一さん方を訪れた。ミラノリブでは上州座繰り器による糸づくりを体験。同社がその糸を用いてニット製品に仕上げた。
 28日は桐生地域地場産業振興センターや市民文化会館、芭蕉、腰光産業などを巡り、29日に桐生を離れる予定。
 「桐生はいつも新しい発明やデザイン、織物組織を発信してきた。廃れてはきたが、小さい工場が生き残るために新しいことを行っており、スローファイバーの趣旨にかなっている」と和田さん。「毎年このプログラムをやりたい。スローファイバーを核に、織塾を世界的な拠点にもしたい」と語っていた。