きょうの夕刊
ワタラセアートプロジェクト 3期「足尾展」開幕
2009-10-26
ワタラセアートプロジェクト2009の足尾展が24日から始まった。首都圏の芸大・美大生ら若手アーティストによる自主企画で、今年は春の桐生・大間々から渓谷をさかのぼり、夏の東を経て3期目は、足尾町が舞台。「わたらせ社宅」展は5人が参加し、赤倉の旧マルサン食堂では2006年からの歩みを映像と写真による視覚体験として展示している。社宅展は11月23日まで、アーカイブス展は12月20日までの土・日・祝日、午前10時〜午後5時。入場無料。
わたらせ渓谷鐵道足尾駅最寄りの高台に立ち並ぶ社宅群では、空き家になっていた5軒に各作家が入ってそれぞれの世界を作り上げている。石垣の細い生活路にはコスモスが揺れ、木造民家の壁をはうツタは赤く色づいた。
15号に入ると、羽山まり子さん(女子美術大学大学院2年)が、時間と距離を感じさせるインスタレーション。12号1は石井香菜子さん(東京芸大大学院2年)で、障子には周囲の杉林の写真をシルクスクリーンで転写したシルエットが浮かび、畳の間につくられた黒い水槽に光が浮かぶ。12号2は清水信幸さん(東京造形大3年)の「触れる感覚、そして拡大」。障子を組ませた大きな六角形からもれる光が幻想的だ。31号2では生井沙織さん(同)が「境界」をテーマに、白い亀や積み木を配置した。1号は赤本啓護さんで、人工芝に朽ちかけた線路が通る部屋、敷き詰めた砂利と枕木の部屋などを体感できる。
「足尾にいると時間が違う」という羽山さん。「ここに来て絵が描けなくなり、立体をつくり始めた。幼いころの記憶がよみがえってきた」と清水さん。夏からここで滞在制作してきて、自分たち自身が過剰なものに流されず、内面を見つめるように変わってきているという。生井さんは「何これ?という摩擦からいろんなことを感じ考えてもらえれば」と話していた。

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