桐生タイムス | 福祉施設利用者らがまちなかで野菜引き売り

きょうの夕刊

福祉施設利用者らがまちなかで野菜引き売り

2009-10-19

 金曜日の桐生市内の本町通り。台車に生鮮野菜や加工品を積んで歩くのは、「赤城の家」(桐生市新里町赤城山)の利用者たち。自らつくった農作物を商店街で売り歩く、懐かしい「引き売り」の光景だ。運べる商品の量に限りがあるため、売れ行きはボチボチ。ただ、各商店の店先で繰り広げられる元気な会話が、商店街に小さな活気をもたらしている。
 「赤城の家」は障害者の就労移行支援や就労継続支援、生活介護に取り組む施設。利用者の作業の一環として、赤城の家では野菜や果樹の栽培に力を入れており、今年5月からは毎週金曜日、市内本町五丁目の「彩(いろどり)・きくや」を会場に産直販売所を開設している。
 引き売りは、商店街という地域特性を考慮したアイデア。「昼間、店を空けることのできない経営者も多い。ならば自分たちで生鮮野菜や加工品を運び、買い物をしていただければ」と、施設長の遠藤佳太郎さんはきっかけを語る。
 7月からスタート。施設で野菜づくりをしている清水清さんら、利用者も一緒に台車を押し、金曜日の午後、約3時間かけて商店街を回る。
 「今回はサトイモがおいしいよ」「ブドウジャムはつくるのに手間がかかるけど、味はたしかだから」など、おすすめ品を紹介すれば、商店街の店主たちも「おいしそう」「でもちょっと高くない?」などと、本音の会話。
 地道な活動が功を奏し、お得意さんも生まれつつある。売り手の明るい性格も魅力で、「会話が楽しいからつい買い物をしてしまう」とある店主。清水さんも「自分でつくった作物が売れればうれしい」と、引き売りを楽しむ様子。
 障害者施設の小さな試みが、商店街に明るい話題を提供している。