きょうの夕刊
“三方良し”で街並み保存 大間々中心街の老舗動く
2009-10-17
「売り手良し、買い手良し、世間良し」で知られる近江商人の経営理念“三方良し”。その精神で街並みを保存しようという取り組みが、みどり市大間々町中心街で始まった。大間々三、四丁目の老舗有志らで設立した「三方良しの会」が、市と県の補助を受けて5カ年計画で取り組む。今年度は、明治初期まで大通りに設置されていた常夜灯を132年ぶりに復活させる。さらに昔ながらの醤油(しょうゆ)工場や蔵などの保存に努め、街並み散策の観光拠点づくりを目指す考えだ。
「三方良しの精神は、『過去良し、現在良し、未来良し』とも言える。先祖の思いや、子孫への願い。そういうものを一緒に考えながら、まちが良くなるよう努力していきたい」
今月9日夜、大間々中心街の料理屋で開かれた「三方良しの会」の設立祝賀会。松崎靖会長は発起人や市幹部職員ら16人の出席者を前に、同会設立の趣旨を熱っぽく語った。
発起人は松崎会長(足利屋洋品店)のほか、新井規夫さん(新宇商店)、飯塚茂さん(青井屋商店)、岡資治さん(岡直三郎商店)、木戸英价さん(木戸商店)、近藤新一郎さん(近藤酒造)、須永豊さん(コメヤ商店)の7人。
街並み保存の中核として期待される醤油工場をもつ岡さんも席上、「老朽化した工場を建てかえる話もあったが、いいタイミングで(保存の)声をかけていただいた。自分も近江商人の末えい。公益に貢献していきたい」と語った。
当面の目標は、大間々三・四丁目を核とした中心街活性化。これまで多くの活性化策が的を絞りきれずに計画倒れに終わった反省を踏まえ、「まずはモデル地区として成功例をつくることが大事」と判断したためだ。
市や県も今年度から5カ年計画で中心街活性化策を支援する「まちうち再生総合支援事業」に位置づけ。初年度となる今年度は常夜灯設置費や街並み保存に向けた基礎調査費など210万円を補正予算に計上している。
松崎さんによれば、江戸時代は現在の本町通りの中央に堀があり、各丁目ごとに常夜灯が置かれていた。道路整備で堀を埋めた1877年(明治10年)、一、二丁目を琴平宮に、三〜五丁目を神明宮に移設。その後三丁目だけが大間々13区(原地区)の民地に移されたという。
大間々宿が繁栄した当時のにぎわいを今に伝えようと、今回はこのうち三〜五丁目の常夜灯を復活させる。いずれも高さ約1・8メートルの石造りで、設置場所は大間々博物館コノドント館前(三丁目)、いきいきセンター前(四丁目)、まま通り交差点角(五丁目)が候補地に挙がっている。
松崎会長は「この地域は昔ながらの醤油工場や造酒屋、数多くの蔵が残っており、明治28年(1895年)の大火では醤油で火を消したという話も伝わっている。こうした地域の歴史や伝統を生かしながら、街並み散策の観光拠点づくりを目指したい」と話している。

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