桐生タイムス_20120112 | “幻の画家”月譚を探せ 調査本格化、子孫ら協力よびかけ

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“幻の画家”月譚を探せ 調査本格化、子孫ら協力よびかけ

2012-1-17

 幼少期を桐生で過ごした日本画家・池田月譚(げったん、1881〜1923年)が今年没後90年を迎える。残された資料から、市内には数多くの作品が残っているとみられることが分かった。月譚の血筋に当たる人が当地を訪ねるなどし、調査が本格化している。山形県内で10月に遺作展が計画されており、関係者は一つでも多くの作品を発掘したいと協力を呼び掛けている。
 月譚は東京生まれ。父親が桐生織物同業組合に勤め、生後間もなくから7歳ごろまでを桐生で過ごしたとみられる。やはり桐生との縁がある画家・大出東皐(とうこう)や松本風湖(ふうこ)らに師事し頭角を現した。花鳥や仏画、歴史画を主に描き、当時高い評価を得ていたが、1923年9月の関東大震災で負傷し、同年11月に世を去った。
 その名は長らく忘れられていたが、月譚が一時移り住んだ山形県長井市で作品26点が発見され、同市で98年に作品展が開かれた。その足跡は謎が多く、山形大学名誉教授で月譚の血筋に当たる池田道正さん(72)が調査に当たっている。鶴岡市の致道博物館で予定する没後90年の記念展に向け、残された資料を手掛かりに発掘を急いでいる。
 父親が組合職員だったつながりの深さもあり、隆盛を極めた桐生の織物業界は創作活動を積極的に支援していたようだ。17年と18年(大正6、7年)に絵画会が開かれた記録があり、発起人には森山芳平や後藤定吉らそうそうたる顔ぶれが名を連ねた。どの作品を誰が購入したかも一覧で残っている。
 池田さんは桐生市役所を通じ、市立図書館の大瀬祐太さん(63)に協力を打診。後藤織物に楠正成親子の今生の別れを描いた「桜井の別れ」をはじめ、四季折々の短冊画27点が残っていることが分かった。
 後藤家では季節ごとに短冊画を替えながら飾っていた。代表で桐生織物協同組合理事長の後藤隆造さん(73)は「桐生と鶴岡はもともと織物でつながりが深かった。これを機に再び交流を結べたら」と話す。
 池田さんは同社を9日に訪問。「これだけの数の短冊画は月譚が相当お世話になった証拠。作品がなかなか見つからず諦めかけていましたが、希望が出てきました」と喜びつつ「まだ1000点近くが眠っていると思う」と協力を求めている。
 問い合わせは市立図書館の大瀬さん(電0277・47・4341)まで。