ぞうき林
モンゴリナラ
2010-2-23
「森林に炭をまいて酸性土壌を改良し、木を元気にしよう」という試みが21日、桐生市の吾妻山下で行われた。吾妻山の周辺には、コナラでもミズナラでもない「謎の木」モンゴリナラが自生しており、この貴重な木を守りたいと、呼びかけ人の宮下正次さん(65)=高崎市=は語った▼宮下さんは営林局職員時代から桐生のモンゴリナラを観察し、昨年、樹勢の衰えに気付いたという。赤城山など各地で深刻なマツの立ち枯れ対策に炭が有効だとして、今回ナラ林でも試すことに。当日は首都圏や関西からも参加者が訪れ、みんなで炭をまいていた▼ところで、森林総合研究所にも標本がある吾妻山のモンゴリナラだが、その生態や分類はまだ明確ではないようだ。日本では東海地方など限られた場所にしかなく、吾妻山一帯もその一つなのだが、これは日本列島が大陸から分離したころ、海に沈まなかった足尾山塊に残存した「大陸の生き残り説」がある一方で、これはミズナラの派生であり、ミズナラの低地型を指す「フモトミズナラ」という新しい名前も提唱されている▼いずれにせよ、遺伝子分析をすれば議論は決着するのだろう。ただ、身近な吾妻山に1億年のロマンを感じさせる物語があるというのは素敵だ。たしかにモンゴリナラの葉はミズナラそっくりの大型で粗っぽく、どこか古代の薫りも漂う。炭まきの効能は見守るとして、大切にしたい植生だと思う。(成)

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