桐生タイムス | 感動の芝居

ぞうき林

感動の芝居

2010-2-19

 “海の番犬”を名乗る輩が、日本の調査捕鯨船に何度となくいやがらせをしているのは以前から聞いていた。捕鯨と反捕鯨、思想信条はそれぞれあろうし、今、捕鯨の是非を語る気はないが、その“抗議活動”の方法に、腹が立つのを通り越してあきれて笑えたので、まあ、一言▼調査捕鯨船になにか薬物を投げ込む、船をぶつけてくる、あげくの果てに、船に乗り込んで居座り、5億円を要求する。しばらく聞いていなかった「居直り強盗」という言葉を思い出した。活動の熱に浮かれて、調子に乗ってエスカレートして、それでこのありさま▼熱に浮かれるといえば、たくさんの人たちが押し寄せるような、何かの抗議活動。先頭の人たちが、押し止めようとする警官とか警備員に触れただけで「痛い! いーたーい!」と大げさに痛がって倒れるシーンをテレビで何度か見たことがある。あーあ、あんなことしなきゃいいのに、と思った。たとえその抗議が正当で同情を引くようなものであっても、一気に芝居がかってウソっぽく見える▼基本、人生は芝居のようなものだけれど、ミュージカルとか絶叫芝居とか、声を張り上げるだけが芝居じゃない。セリフもないのに目の動きだけで人を感動させる芝居もある▼番犬の活動を支えるスポンサーに、ハリウッド俳優もいるという。コントみたいな抗議活動でなく、その抗議が世界中の共感を得られるよう演技指導してもらったほうがいいんじゃないかな。(篤)