ぞうき林
小旅行
2010-2-4
久しぶりに雪の積もった朝、桐生駅からわたらせ渓谷鐵道に乗って大間々方面に向かった。駅を発車した列車は住宅地を抜け、丸山の下を左にカーブすると、まもなく渡良瀬川橋梁に差し掛かる。車窓の視界が開け、普段よりなお白い赤城山と、まだらに雪化粧をした里山、白い屋根が並ぶ青葉台の風景が、明るく美しい▼下新田駅の先で右にカーブを切り、東武線の鉄路が左側に迫ってくれば相老駅。雪の影響で東武線が運転を見合わせていると、アテンダントのアナウンスが告げている。運動公園駅をすぎ、国道122号線沿いの桜並木を抜け、右にカーブすると大間々駅。ここから先、窓から眺める雪の渓谷美に大きな期待を寄せる▼国道で難所の「七曲(ななまがり)」は、並走する鉄道にとっても難所。工事中の福岡大橋の下をくぐった先、手振山架樋、第一・第二・第三と連続する神梅トンネルは、いずれも貴重な文化財。大正期、がけをうがち、橋を架け、難所に鉄路を敷設した人びとの苦労に思いを馳せつつ、さらに先へ小さな旅を続ける▼本宿駅をすぎれば古路瀬渓谷。斜面を覆う落葉広葉樹と針葉樹の枝に雪が積もり、まるで北国を旅する感覚。谷底の水の流れと、雪をかぶった河原の石の模様も見飽きぬ眺めだ。十数人いた乗客の多くも、いつもと違う車窓の眺めに興味深そう。季節や天候によって異なる車窓の景色は、のんびりと走るローカル列車の大きな魅力だと、改めて感じた次第。(け)

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