桐生タイムス | 音楽の力

ぞうき林

音楽の力

2009-12-26

 寝付けぬクリスマスの夜。テレビのチャンネルを替えていると、美しいハーモニーに心を奪われた。小田和正ら21組34人のアーティストが参加したコンサート「クリスマスの約束2009」だった▼年末になると、各局で今年のヒット曲を集めたスペシャル番組が放映されるが、あまりの長さに好きなアーティストの出演場面以外はチャンネルを替えてしまうことが多かった。しかし、この番組は違った▼全アーティストがステージに一堂に会し、代表曲をノンストップでつないでいく22分50秒のメドレー。「明日がくるなら」「翼をください」「青春の影」「帰りたくなったよ」など新旧のヒット曲をごちゃまぜに、しかもほかの出演者の豪華ハーモニー付きで演奏するのだ▼親と子、時には孫ほど年齢の異なる出演者。さらに1曲の演奏時間は短く、サビの部分くらいしか歌えない。小田の熱意に応えて参加したものの、出演陣には当初、「これに意味があるのか」という思いがあったというが▼趣味趣向が多様化し、年間ランキング1位の曲でも知らない人の方が多い時代。充実した出演陣と感動する観客の姿から小田の思いを感じ、さらに胸を熱くした。遠い昔、中学校の卒業式の合唱で感じた気持ちに似ているだろうか。「同じ時代をともに生きている」という▼心を一つにすることで乗り越えられることは結構ある。暗いニュースの多かった年の瀬、音楽からそんな希望の種をもらった気がした。(野)